EFLを意識して現実的な英語学習をしよう
EFLとは
- EFLとはEnglish as a Foreign Languageの略、 外国語としての英語という意味で、日本のようにとくに日常生活では英語は使わないのですが、国際語共通語として英語を学ぶことを意味します。
- ESLとはEnglish as a Second Languageの略、第二言語としての英語という意味で、インドのように公用語が英語であることを意味します。
- ENLとはEnglish as a Native Languageの略、母国語としての英語という意味で、アメリカやイギリスのように母国語が英語であることを意味します。
自分の経験や、他の学習者、英語の先生との意見交換、英会話スクールの運営に携わった経験から、これらの環境の違いについて理解が足りないために英語教育界に混乱が起きているのではないかと思い始めました。
EFLとESL, ENLの環境の違いとは
ESL,ENLの国では、例えば親兄弟が英語を話し、教科書が英語で、授業も英語であるとか、複数の民族や言語が存在する国では他県出身の人とは母国語が違うので英語と話すという事があります。つまり英語ができないと、お店での注文や友達との会話などという小さな事から、教育が受けられない、仕事につけない、公共サービスが受けられないという大きな問題まで起こります。
- 英語ができないと死活問題
- 英語ができて当然
という感覚です。
それに比べてEFL環境では、生きて普通に生活しているだけで得られる英語は何1つ無く、教室で英語を学んでも、レストランでも家庭でもどこでも使う場所がありません。なのになぜかこの環境で「ネイティブのように英語ができる」ようになれると期待する人たちがいます。(そのように英会話教室や英語教材が広告をうっているからなのでしょうが。)
そこで、その間違った期待は一旦捨てて、EFLの限界を知った上で現実的なゴールを設定し学習をすすめるのが理想と考えます。
EFL環境での現実的なゴール設定
赤い矢印が今までのロードマップです。EFL環境で頑張ったらいつかネイティブのようになれるのではないか。という考え方です。
緑の矢印がEFLでの現実的なロードマップです。EFLでやれるところまでやる。それ以上を目指すならESL, ENLに環境を移すという考え方です。
EFL環境でゴール設定する場合に注意する点は以下2つです。
1. 英語のスキルが低いレベルで止まる インターネットのおかげで英語のニュースやドラマなどが手に入りやすくなったし、Skype英会話もあるので以前より格段に吸収できる環境になっていますが、特にアウトプットのSpeakingやWritingについては使うところがまだまだ少ないし、Speakしたところで返事がないので、EFL環境で高いレベルを目指すのは理想的ではないと思います。
2. Speaking, Listening, Writing, Readingのスキルが別々に伸びる 読めるが話せない。聞けるが書けないということが起きます。でもそれもOKなのがEFL。 「英語ができる」という状態は、Speaking, Listening, Writing, Readingのスキルが全てネイティブの人たちと遜色がない状態になることを想像していると思いますが、EFL環境においては、また別の形の「英語ができる」があると思います。すべてのスキルが必要とされていないので、自分が必要とするスキルを必要な分だけのばす事が理想ではないでしょうか。
例えば、
- 海外旅行に行きたいなら英会話で Listening, Speaking
- 洋書を読みたいのならReading
- 英語ニュースを読みたいのならReading
- 海外のブログなどを読みたいならReading、自分も海外に情報を広めたいならWriting
- もしなにも無いけどいつか必要な日がくるかもしれないというならTOEICを目標とするのが簡単なのでListening, Reading
といった感じはいかがでしょうか。
補足
目標をENLにしなかったのは、ESLレベルで不自由なく英語圏で生活していけると思っていることと、ESLとENLの違いは英語という言葉というより文化や感覚の違いなんじゃないかという事でそうしました。
また、EFLと書いてきましたが、EFL=日本と置き換えて考えて読んでください。日本とは違ってEFLであっても英語ができる国はヨーロッパに多くあります。それは、母国語が英語に(発音も含め)近いとか、英語でなくても多言語他民族国家だとか、小国なので他国で就職するのが一般的な国もあります。アメリカのドラマがずっと流れていたり、小学校から英語をネイティブに学ぶという状況があったりします。
その点日本は、日本語と英語がそもそも遠い言語であるとか 、単一民族国家であるとか、海外に行っても現地ツアーが英語と日本語が用意されているような強い国で、経済的にも豊かだったので自国にとどまっていて十分食べていけたというその他の要因も多くあると思います。